旧川越織物市場整備工事<市指定文化財>

埼玉県川越市にある旧川越織物市場および旧栄養食配給所は、耐震補強を施しながら保存修復・活用整備工事を行いました。旧川越織物市場は東棟と西棟に分れており、明治43年(1910)に建てられた同じ間取りが続く長屋形式の建造物です。旧栄養食配給所は繊維工場などで働いている女工達の労働環境を改善するため、栄養管理を中心とした労働者のバランスの良い食事を提供するための共同炊事場で、昭和9年(1934)に設立されました。いずれも川越市の産業遺産の重要な建造物として、平成17年(2005)に市の指定有形文化財になり、さらに平成27年(2015)には歴史的風致形成建造物にも指定されました。旧川越織物市場の工事を令和2年(2020)に、旧栄養食配給所の工事を令和4年(2022)に着工し、整備工事が行われ、令和6年(2024)4月に通称「コエトコ」という文化創造インキュベーション施設(起業家の育成や新しいビジネスの支援施設)として公開しています。
敷地内にはこの他に、火気使用可能な水廻り棟を東棟、西棟の裏側に、交流機能施設(カフェ棟)を道路際に新築し、活用の向上を図りました。

  【旧織物市場】 【旧栄養食配給所】
所在地 川越市松江町2丁目1110
規模 東棟:
建築面積  262.99
延床面積  394.13
西棟:
建築面積  271.02
延床面積  389.99
炊事場:
建築面積  88.18
延床面積  88.18
住宅:
建築面積  53.38
延床面積  83.12
階数 2階 炊事場:平屋
住宅 :2階
構造 木造 木造
屋根 瓦葺き 炊事場:カラーステンレス平葺き
住宅 :瓦葺き
当初建設年 明治43年(1910 炊事場:昭和9年(1934
住宅 :明治43年(1910)頃
※昭和14年(1939)に南側増築
業務 設計、工事監理

旧織物市場東棟の南面。左が受付の入口

旧栄養食配給所の正面にある看板

西棟南側の復原展示室の正面

炊事場内部。復原したレンガ組積のカマド

クリエーターへの貸室

旧織物市場の正面の土庇