鈴木信太郎記念館保存改修工事 <区指定文化財>

鈴木邸02   鈴木邸01

フランス文学者の権威鈴木信太郎の邸宅。豊島区が寄贈を受け、調査・保存改修工事を経て鈴木信太郎記念館として2018年3月より一般公開されています。
建物は、建築年代がそれぞれ違う”座敷棟”、“茶の間”・ホール棟”、“書斎棟”の3棟から構成され、時代と建物の変遷を感じることができる貴重な建造物として、豊島区の有形文化財に指定されています。
書斎棟は昭和3年に建てられ、戦災で一帯が灰じんに帰したなか焼け残ったRC造の建物です。その横の茶の間・ホール棟は昭和21年に15坪の建築制限のあるなか建てられました。次いで昭和23年に現在の埼玉県春日部市にあった信太郎の母方の実家の主屋の一部(明治20年代築)が移築され、その後も増改築を経て現在の姿となりました。
書斎棟には信太郎自らデザインに関わったと思われるステンドグラスや当初からの照明器具が残っており、改修工事の際に修復しました。

所在地 東京都豊島区東池袋5丁目52番3号
規模 建築面積 204.22㎡
延べ床面積 324.26㎡
階数 座敷棟、茶の間・ホール棟:1階
書斎棟:2階
構造 座敷棟、茶の間・ホール棟:木造
書斎棟:RC造(1階、中2階)、鉄骨造(2階)
屋根 座敷棟、茶の間・ホール棟:瓦葺一部銅板平葺き、カラーガルバリウム鋼板瓦棒葺
書斎棟:鉄板瓦棒葺
設計年 座敷棟:明治20年代築 昭和23年春日部市より移築
茶の間・ホール棟:昭和21年
書斎棟:昭和3年
業務 設計、工事監理
春日部より移築された座敷棟。柱には栂材が使われている。

座敷棟内部。柱には栂(ツガ)材が使われている。

鈴木邸_書斎

書斎棟内部。手前に見えるデスクは信太郎が実際使っていたもの。

鈴木邸_ホール

ホール

茶の間

茶の間

書斎のステンドグラス

書斎のステンドグラス

写真
佐々木俊徳氏撮影(ステンドグラス以外)
星野薫氏撮影(ステンドグラス)

※2018年5月に見学会を行いました。
見学会の様子はこちらから