江戸東京たてもの園 前川國男邸(都指定有形文化財)・田園調布の家 耐震補強工事


前川國男邸

田園調布の家


前川國男邸は、昭和17年に建築家前川國男の自邸として品川区に竣工した木造一部2階建の住宅で、昭和48年に解体されて部材は軽井沢の別荘に保存されました。その後、平成9年に江戸東京たてもの園に収蔵建物として復元され現在に至っています。
田園調布の家は、田園調布株式会社の開発した分譲地に、三井道男設計で建設され、大正14年に竣工しました。関東大震災直後で資材が不足し入手困難のため、主要な木材はアメリカからの輸入材を使用しています。平成6年に解体され、翌7年に江戸東京たてもの園に復元されました。
今回の工事はこの2軒の建物の構造用合板による耐震補強工事と共に、損傷や不具合な場所の修理を行いました。
前川邸では、外壁の塗装を拭取り、柿渋を塗り直しました。田園調布の家では、無くなっていた居間のソファー本張のブレードと鋲を復元しました。

  【前川國男邸】 【田園調布の家】
所在地 東京都小金井市桜町3-7-1 (江戸東京たてもの園内)
規模 建築面積 111.54㎡
延べ床面積 110.60㎡
建築面積 99.38㎡
延べ床面積 99.38㎡
階数 平屋建 一部2階 1階
構造 木造 木造
屋根 瓦葺き 瓦葺き
当初建設年 昭和17年(平成8年復元) 大正14年(平成7年復元)
業務 設計、工事監理

前川國男邸 居間(サロン)西面
トンボ取付作業 漆喰壁を木摺から塗直した

田園調布の家 ソファー
本張りのブレードと鋲を復元した


前川國男邸 寝室南側外部
耐震補強のため金物を設置した

田園調布の家 西寝室外部
耐震壁の構造用合板を入れた