室生犀星記念館改修工事

軽井沢の室生犀星記念館は、昭和6年(1931)から亡くなる前年の昭和36年まで、毎年夏を過ごした詩人で小説家の室生犀星の別荘です。
別荘は門を入ると美しい苔の庭があり、それを囲んで軽井沢では珍しい和風の3棟の建物が建っています。昭和6年に主屋を建設し、その後、書斎と離れを建てています。現在は書斎と呼ばれていますが、犀星は主屋を仕事場にしており、当時は道路側の離れと呼ばれていたようです。庭は犀星自身が庭師と共に毎年手を入れていた苔庭です。
今回は、耐久性に不安のある屋根を当初の杮葺に近い姿の銅板に葺き替え、土台や柱、外壁などの、損傷部分を修理しました。また、工事中に主屋の当初の板図がみつかり、増改築の状態もわかりました。他の棟についても増改築されていました。

所在地 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢979-3
規模 建築面積 110.05㎡ (主屋、書斎、離れ)
延床面積 110.69㎡ (   〃    )
階数 平屋
構造 木造
屋根 銅板平葺き、飾棟木付(一部既存鉄板屋根葺き)
当初建設年 昭和6年、書斎と離れは不明
業務 設計、工事監理

最初に建てられた主屋の建物


小高い場所に建っている離れ


書斎と呼ばれている建物


室生犀星の書斎として使われていた部屋


主屋より離れを眺める


離れより主屋を眺める