
旧山崎家別邸は、川越の老舗菓子店「亀屋」の五代目嘉七の隠居所として大正14年(1925)に建てられました。設計は建物から庭園までを含めて建築家保岡勝也によるものです。この別邸は、大正期から昭和にかけて盛んとなった新しい住まいの価値観に沿った近代住宅で、庭園も含めて建設当時の状態をよく残しています。さらに、当時の設計図書や工事資料が残されていることから、文化財的価値が高く評価されています。
工事では、構造補強工事と洋館の屋根を当初のフランス瓦で葺き直し、バルコニーや浴室の復原、壁紙の復原製作等を行いました。庭園は大正13年の庭園図面を参考に植栽や垣根の修復を行いました。
所在地 | 埼玉県川越市松江町2丁目7番地8 |
規模 | 建築面積 212.72㎡ 延べ床面積 282.08㎡(主屋・茶室・供待) |
階数 | 地下1階 地上2階建 |
構造 | 木造一部地下レンガ造 |
屋根 | フランス瓦葺き(洋館)、引っ掛け桟瓦(和館) 一部銅板葺き |
設計年 | 大正14年(1925) |
業務 | 設計、工事監理 |
写真:小野吉彦氏撮影