雑司が谷旧宣教師館は明治40年に、アメリカ人宣教師マッケーレブの自邸として建築されました。昭和62年に豊島区の有形登録文化財に登録され、その後平成4年には区指定文化財、平成11年には東京都の指定有形文化財になりました。現在同区内に現存する最古の近代木造洋風建築として、一般に公開されています。
前回の修理から5年を経て、外壁や内部の塗装に剥離が目立ってきたことや、建具等の不具合、漆喰壁の亀裂等が生じたため、2011年1月〜3月にかけて修理工事を行ないました。
今回の修理では、外壁の下見板は、昔から使われてきた油性調合ペイント(OP)と呼ばれる塗料、窓枠等緑の色の部分は現在一般的に使われる合成樹脂調合ペイント(SOP)という塗料を使っています。
文化財という観点からは全ての箇所にオリジナルに近いOPを使うことが望ましいのですが、現在OPは色の種類が少なく緑色を作ることができません。
所在地 | 東京都豊島区 |
階数 | 2階 |
構造 | 木造 |
建設年 | 明治40年 |
業務 | 改修設計、工事監理 |
漆喰壁の塗り直しでは、現場で材料を煮て漆喰を練った。