旧安田楠雄邸 修理工事

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旧安田邸は、豊島園を作った人物として知られる藤田好三郎氏により大正7年(棟札より)に上棟されました。施工は清水組(現清水建設)でした。
また、畳替の工事中に大正8年4月の墨書が見つかり、残された図面からも大正8年に竣工したものと推定されています。関東大震災の直後、旧安田財閥の創始者・安田善次郎の娘婿善四郎が土地建物を購入し、その後安田家が長い間所有してきました。

平成7年に当主の楠雄氏が亡くなると「文京歴史的建物の活用を考える会(たてもの応援団)」の助言により、平成8年に公益財団法人 日本ナショナルトラストに寄贈されました。
旧安田邸は山手の上流階層の生活を今に伝える貴重な遺構で、大正時代の近代和風住宅の特徴を良くあらわしており、東京都の名勝に指定されています。伝統技法研究会では歴史的建物の専門家として保存運動の当初から旧安田邸に関わってきましたが、平成15年から平成17年に修理工事が行われ、設計監理を担当しました。
現在、庭園と共に「旧安田楠雄邸庭園」として多くのボランティアに支えられ一般に公開されています。

所在地 東京都文京区
所有者 財団法人日本ナショナルトラスト
規模 1階床面積 455.11㎡
2階床面積 142.79㎡
延床面積   597.90㎡
構造・形式 木造2階建
屋根 寄棟、入母屋、和瓦、
天然スレート及び銅板平葺
業務 調査、実施設計、工事監理

 

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2階客間・次の間

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紅葉した庭を2階から見る

 

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