古河市酒井蔵改修工事

酒井蔵は、古河駅北西側にあり、鍛冶町通りの道路拡幅に伴い古河市に寄贈されたものです。平面はL字形をしており、長手部分は2階建ての倉庫で、北西の隅に8畳と6畳の和室からなる蔵座敷が取り付いています。
今回の工事は、耐震補強と屋根の葺き替えを行い、便所や給湯場等最低限の設備を設けてイベント等に使えるようにすることが主な目的です。倉庫部分は2階の床を取り払い、吹き抜けの広い一室空間としましたが、座敷部分はそのまま残しています。
組石造の耐震については、基準がありませんので、地震時に最上部においての変形を極力抑えるという考えに基づき、鉄筋コンクリートの構造体を両側に造り、その間はベタ基礎と一体の腰壁とアール状の鉄骨により補強しました。コンクリートと大谷石はボルトにより一体化されています。

所在地 茨城県古河市
規模 1階床面積  147.75㎡
2階床面積   72.24㎡
延床面積  219.99㎡
構造 組積造(大谷石)2階建
(床、和小屋組共に木造)
屋根 切妻、和瓦、箱棟、漆喰の影盛
建造年 大正2年5月19日
(棟札)
業務 改修設計、工事監理

 

改修前の様子

改修前の様子

アール状の鉄骨により壁面を補強

アール状の鉄骨により壁面を補強

アール状の鉄骨により壁面を補強

アール状の鉄骨により壁面を補強