旧川越織物市場・旧栄養食配給所見学会 / 2024年

前面道路から見た施設。 右側通路奥にある旧川越織物市場と道路際に新築した交流機能施設およびその奥の旧栄養食配給所

埼玉県川越市の旧川越織物市場と旧栄養食配給所は同一敷地内にあり、共に平成17年(2005)に市の指定有形文化財の指定を受けた建造物で、令和6年(20244月に通称「コエトコ」という文化創造インキュベーション施設(起業家の育成や新しいビジネスの支援施設)として公開されました。敷地奥にある旧川越織物市場は、東棟と西棟があり、織物産業で栄えた川越を象徴する歴史的建造物として市民に広く知られた建物です。手前側の旧栄養食配給所は、昭和初期に繊維工場などで働いている女工たちの労働環境改善を図るため、栄養管理を中心とした栄養改善を目的に各地に設立された共同炊事場のひとつでした。これらの建造物の活用を視野に入れた改修・耐震補強等の復原整備工事が行われました。伝統技法研究会(以降伝技)では、2001年の建物の現況調査から関わり、敷地全体の整備工事として保存活用のための設計を行い、旧川越織物市場を一期、旧栄養食配給所等を二期として整備工事の監理を行いました。

見学会の様子

今回の見学会では、川越市のコエトコ管理担当者に復原活用に向けての経緯と活用の現状をお聞きし、織物市場の保存に関わった方に当時のお話をして頂き伝技からは構造材の補修や耐震補強の方法などを説明しました。その後、織物市場の元の姿に復原した復原展示室や活用を考え改修した部分、普段公開していない2階を見学しました。旧栄養食配給所は、全盛期の7つの竈のある姿に復原した炊事場や、保存してあった栄養食配給所の看板を復原した住宅など見て廻りました。
最後に参加者からの感想や活用に対する提案などを頂き、とても充実した見学会になりました。


敷地奥の旧織物市場。西棟(左)と東棟(右)

住宅の正面。洗出し仕上の看板がある



西棟南側の復原展示室正面。格子戸と板戸の二重揚戸がある

東棟前から見た炊事場正面側



東棟の2階の窓格子越しに見た西棟

炊事場正面入口から見たレンガ組積のカマド