鈴木信太郎記念館見学会  / 2018年

 

鈴木邸見学会01

鈴木信太郎記念館は、豊島区指定文化財建築物になっており、平成22年に寄贈後、伝統技法研究会で調査、改修工事の設計監理を行い、今年3月より開館しています。建物は時代の違う3棟(座敷棟:明治20年代築木造、茶の間・ホール棟:戦後間もない昭和21年築木造、書斎棟:昭和3年RC造)からなっており、信太郎先生の想いとそれぞれの時勢が反映された造りになっています。

今回の見学会では、時代の違う3棟のそれぞれの特徴と見所、また改修工事の施工方法や工事中の発見などのお話を聞いたり、ご好意により普段一般公開されていない戦火で曲がった鉄骨(書斎棟2階)や工事中に発見された建設当時の書斎棟外壁(階段部分)なども見学させていただきました。また、齋藤金次郎先生にお越しいただき、見学会終了後、施工方法がわかっていない左官壁を見ていただき、見解をご教授していただきました。

鈴木邸見学会03

階段途中の壁で見られる建設当時の書斎棟外壁。非公開部分。

枠に囲まれた淡く赤味を帯びているところが建設当時の洗い出しの書斎棟外壁。工事の際に階段の内壁を剥がしたところ発見された。今回の工事で枠を作り、一部見られるようにしてある。現在はグレーの吹付けタイル仕上げになっているが、新築当時はとても鮮やかなモダンな建物だったようだ。

 

 

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書斎棟2階部分。非公開部分。

RC造の書斎の上に鉄骨の柱を立てて増築された部分。戦火で木造部分は燃えてなくなったが、RC造の書斎棟とその上の鉄骨のみは焼け残り、その残った鉄骨を利用して戦後再建された。戦火の熱のため歪んだ鉄骨が今も残る。

 

 

 


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