旧安田楠雄邸の耐震補強を行いました

旧安田楠雄邸は1995年に安田家より日本ナショナルトラストが寄贈を受けて以来、伝統技法研究会では調査、修理設計、工事監理など25年に渡り、保存公開に協力してきました。安田楠雄氏亡き後、夫人の幸子さんはこの建物を大切に「皆様で活用ください」と土地、建物を寄贈されましたが、これまでの公開での心配は耐震性能でした。

美しく庭園と一体化したこの建物は開口部も多く、構造となる壁が少ない構造を持っています。建物を震度6強〜7程度の地震にも倒壊せずに安全に避難できるように構造補強を行うことになりました。構造補強のために調査設計を担当しましたが、構造は東洋大学松野浩一教授に依頼しました。ここでは無垢板を三層に重ねた耐震パネルを壁に設置し、ほとんど工事前と工事後の内観、外観に変化がないように修理されました。二階床は剛性を高めるために無垢板を張るなど、他の耐震要素の工事も行いました。

工事は、風基建設が行いましたが、既存の造作を壊さないように工夫しながら工事が進み、現状復旧ました。左官工事は平成15年〜平成17年に行われた修理工事の際、残され保存していた土を使用したので塗り替えたと気がつかないほどです。

すべての検査も終え、さる11月6日再開のセレモニーが行われました。一つの建物を長きに渡り守ることができた喜びがありました。今回の工事の内容、耐震壁を見ていただくコーナーもあります。毎週水曜日と土曜日に公開されています。(公開日時はご確認ください)どうぞお立ち寄りください。

(担当、角野・伊郷)

日本ナショナルトラスト
http://www.national-trust.or.jp/protection/index.php?c=protection_view&pk=1491201890

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安田邸耐震補強工事後完了セレモニー

 

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伝統技法研究会が感謝状をいただきました